ウクライナのダム破壊で重要な灌漑網が枯渇
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ウクライナのダム破壊で重要な灌漑網が枯渇

Jun 03, 2024

E360 ダイジェスト

2023 年 8 月 3 日

カホフカダムが破壊される前(左)と破壊後(右)のカホフカ貯水池。 NASA

ウクライナのカホフカダムの破壊により、重要な貯水池が排水され、ヘルソン地域の周囲の農地への水の流れが遮断された。 ここ数週間で、貯水池から供給される広大な灌漑網が枯渇し始めていることが、新たな衛星画像で明らかになった。

NASAの食糧安全保障プログラム責任者のインバル・ベッカー・レシェフ氏は声明で、「農家にとって今の大きな課題は水不足だ」と述べた。 「ヘルソンで栽培される夏作物の多く(トウモロコシ、小麦、ヒマワリ、トマト、メロンなど)は灌漑に大きく依存しています。」

カホフカダムが破壊されてから2か月で、貯水池と灌漑網を繋ぐ4つの取水口が干上がった。 初夏の降雨により一時は用水路が満杯になったが、ここ数週間で運河はほぼ空になり、ロンドンより広い地域への水の供給が危機に瀕している。 ウクライナ農業省によると、貯水池からの灌漑を復旧するには3~7年かかるという。

6月3日と7月19日にウクライナの広大な農地に水を供給する北クリミア運河。Planet Labs(NASA経由)

環境省の新たな報告書で詳述されているように、ウクライナの農業の中心地は戦争の影響で複数の課題に直面している。 報告書によると、田畑の破壊、農機具の破壊、爆発物による汚染により、87億ドルの損失が発生しており、現在、ウクライナの農地の30%に地雷が散在しているという。

昨年、ウクライナ小麦への依存度が高いグローバル・サウスの多くの国を含む、171か国がウクライナの農産物を輸入した。 6月にカホフカダムが破壊されたことで世界の穀物価格が上昇し、7月にロシアがウクライナ穀物の輸出を認める協定から離脱する決定をしたことも同様だった。

ウクライナのミコラ・ソルシキー農相は声明で「世界の食料安全保障が再び危機に瀕している」と述べた。 「食料を輸出できなければ、最貧国の国民は存亡の危機に瀕するでしょう。」

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